あるある症候群

人知れず埋没してしまっている『あるある』たちを見つけ出してやらずにはいられない欲求が抑えきれない病気。

省管理型の芝TM9を自分で張る!

「お金かかるし、自分で芝を張りますかね。」

 

こんにちわRRです。今回は、約30坪の庭に省力、省管理型の芝TM9を自分で芝張りして死にそうになったお話しです。

 

「芝張りなんて芝を買ってきて並べるだけでしょ、簡単、簡単(^^♪」

 

ということで、さっそく芝張りの手順を調べてみると、

 

1.下地づくり

2.芝を並べる

3.目土入れ

4.水かけ

 

あー、もう超簡単ですね。自分でやるしかないですね。

ちょうど梅雨時で芝張りに適した時期。雨が降れば水かけも省略できるし一石二鳥です。

さっそく下地づくりからやりますかね。遠くを見つめて目を細めながらつぶやきますかね。

 

「芝張りってーのはよ、要するに下地づくりなんだよな。」

 

余裕過ぎて、やったこともないど素人なのに通ぶって名言残したくなるよね。

あるあるやね。

 

芝を張る予定の庭は、雨が降るとぬかるんでしまい、晴れると固まってしまうような土質だったので、表土を入れ替えて改良することにしました。

この時点ではわくわく感が先行してやる気満々100%です。

省管理型の芝TM9のマットですが、普通に売られている高麗芝のマットと形状や大きさはほとんど変わりません。

芝マットは2~3㎝ほどの厚みがあるので、これをおさめるために、その分の土を庭から取り除く必要があります。

固い地面を人力で堀り進めるのもめんどうなので、小型の耕運機を借りてきて、表面を耕します。

ホームセンターで買ってきた土のう用の袋100枚ほどに、余分な土を詰めていきます。

 

「軍手をしないでスコップ使ってると、手の皮がむけてくるんだぜ。プロは軍手するんだぜ。」

 

名言を言おうとして、ただ知識をひけらかしたいだけの知ったかぶり野郎みたいになっった挙句、ぜんぜんたいしたこと言ってない感じ。しかも周りに誰もいない状況でどや顔。

あるあるやね。

土のう袋は満杯まで入れると重すぎて持ち上げられないので、3分の2ほど詰めます。土のう100個ってけっこうな量です。なまった体にはしんどいです。

ようやく作業を終え、へとへとに疲れ果て、体の泥を洗い流し、風呂に浸かって今日という日を振り返ります。

 

「こんなこと、自分でやるもんじゃないな。」

 

あるあるやね。

あんなに余裕ぶっこいていたのに、まだまだ先の工程があると思うと暗澹たる気持ちになります。

ただ、今日でこの土のうに土を詰めるという、とても分かりやすく大変そうな作業を終わらせたことを思い出し、自分に言い聞かせます。

 

「いける。まだいける。大変な作業は今日で終わったんだ。」

 

あるあるやね。自分に言い聞かせるしかないね。

気を取り直して、次の休みの日、川砂とバークたい肥を買ってきて庭にぶちまけます。そしてまた借りてきた耕運機で混ぜながら耕します。

 

「せっかく大変な思いをして土を取り除いたというのに、なんでまた川砂やらバークたい肥なるものを入れてしまうのでしょうか?」

 

ある日突然クイズ形式で進行したくなっちゃったりするよね。

あるあるやね。

川砂は水はけをよくするため、バークたい肥は通気性、肥料持ちをよくするために混ぜ込みます。雨が降ってはぬかるんでいた土壌を改良する狙いです。

じゅうぶんに耕し終わったら地面をならします。トンボがないので、アメリカンレーキというやつを使いました。ならしおわったら地面を安定させるために足で踏み固めていきます。

この時点でうっすら気づき始めています。

 

「これ、絶対でこぼこになるよね。」

 

あるあるやね。

芝生がでこぼこになるとやっかいなのが芝刈り機です。

水平であること前提の機械なので、でこぼこの凸に足が乗っかったら刈り残し、凹に足がはまったら軸刈りになってしまいます。

きれいな芝生を簡単に維持していくためには、芝張りででこぼこを作らないことが重要なのです。

なんだかんだでここまで作業を終え、あとは芝を張っていくだけです。

 

「下地さえちゃんとしてりゃあ、あとは芝が仕事してくれるのさ。」

 

自分で適当に作った名言(風のもの)前提に、さらに名言(的なもの)をかぶせて、もう終わったような気になってしまっています。

あるあるやね。

さあ、次はいよいよ芝マットを並べていきます。

 

芝張り当日朝。宅配便で芝が届きます。その数900枚。すごい段ボール箱の量です。

このトラック、うちの芝しか乗ってません。降ろすのだけで大仕事です。

嫌な予感がします。とても嫌な予感がします。

そして天気は快晴。最も太陽が高いこの時期、晴れるとその日差しは強烈です。

とても嫌な予感がします。

そんな予感を振り払いながら、さっそく端から敷きつめていきます。分厚いしっかりした芝なので、非常に重くて運ぶのもまた一苦労です。

多少でこぼこですが均等にならしたつもりの地面。タイルカーペットやジョイントマットのようにただ並べればいいだけと思っていましたが、芝マットの厚さは均等ではありません。一つ一つ目土で高さを合わせながら敷きつめていきました。

これがおそらく大間違い。

大変な時間がかかったのと、一つ一つ並べるたびに芝の表面の高さ調節のためにしゃがんで作業するので、立ったりしゃがんだりスクワットしているようなものです。ということは、900枚全部並べるのにスクワット900回、、、プロレスラーでしょうか。

先に芝をさっさと並べて敷きつめてしまって、後から目土で高さのレベルを調節するほうが楽ちんです。

 

 「俺、ひざに爆弾かかえてっから。」

 

炎天下の中スクワット900回。このあと一週間ほど筋肉痛のような症状が続き、その後左ひざに違和感をおぼえ、いわゆるひざに水がたまった状態になり、痛みで歩行することが困難なほどになってしまいました。

あるあるやね。そうそうないけどね。

整形外科で調べても大きな異常はなく、何の説明もなく膝の水を抜かれ、「すごい量だな、新記録だよ。あはは」などと他人ごとのように言われ、ロキソニンを処方されるだけ。整骨院などで電気を流しても改善せず、結局この症状は半年ほど続きましたが、ある日ふっと痛みがなくなり、以前の状態に戻りました。

これは単なる推察ですが、急に激しく大腿四頭筋を酷使したために、筋肉の過剰な疲労で膝関節をサポートしきれなくなり、関節に大きな負荷がかかり、軟骨の表面にささくれのようなものができてしまい、それがいたずらして痛みを引き起こしていた。

そしてあるとき、その軟骨のささくれが何かのきっかけで取り除かれたことで、痛みがなくなったのではないだろうかと考えています。

 

さて、朝から始めた芝張り作業ですが、芝を敷きつめ終わったのは午後3時過ぎになってしまいました。

自己満足に浸ろうと、並べ終わった芝生を眺めていると、ある異変に気付きます。最初の頃に並べ終わっていた芝の葉っぱが針のように細くなってしまっていました。

 

「なんだろう。針みたいに細いね。まるで『美味しんぼ』4巻の第8話『茶の味わい』に出てくる『玉露のいいの』のようだ。」

 

その後も見るたびに針みたいな状態の芝が増えていきました。なんかやばいと思って調べてみると、乾燥による症状のようでした。

 

「炎天下に水を撒いてはいけない。水がお湯になってしまうから。」

 

という一般的に言われている注意事項をしっかり守っていたらこのありさま。次の日には10枚以上のTM9の芝マットが完全に枯れ芝となってしまっていました。普通の高麗芝の約2倍のお値段なので、けっこう痛いです。

枯れてしまったら全ておしまいなので、炎天下でもときどき水をまいてやるほうが良いのではないかと思います。

さらに、芝の入っていた段ボールをかぶせて日よけするなど、乾燥で枯らさないための処置は必要です。

 

敷きつめ終わった芝。敷きつめ方はベタ張りといって、隙間なくびっちり敷きつめる方法にしましたが、それでもすき間があくので、そのすき間に目土を入れていきます。

水はけとコストを考えて、目土にはホームセンターで買ってきた川砂を使用しました。

ちょっと湿っていたり、粒が大きめだったりして、なかなかすき間に入っていってくれません。トンボのような道具ではうまくいかないので、軍手して手ですり込んでいきます。この時すでに歩行困難なので、四つん這いで作業です。

あるあるやね。

この時点ですでに体力の限界を超えていて、休憩をとっても疲労が回復しきらないので、5分も作業するとまたすぐ休憩をとるようになってしまいました。

あるあるやね。

焼砂のようなサラサラで粒の細かい砂を使用したほうが作業も早いし、トンボでならせば、でこぼこも解消されてフラットな芝生になると思います。

この辺までは、ていねいにきちんと作業をしてきましたが、もう体もきついので、目土入れは「もういいや。」といった気持ちで適当に済ませ、完成としました。

あるあるやね。

そして最後に、地面と芝が密着するように踏んづけながら、水をたっぷりかけあげます。このとき、先ほど入れた目土がすき間に入っていくように水で押し流します。

どんどん目土が奥に入っていってしまうところは、上から足してやります。

ようやくすべての工程が終了しました。この後は根付くまで、毎日水かけするだけです。

 

省管理型の芝TM9を自分で張ってみて、振り返って思うことは、

  • 梅雨時でも晴れた日は芝張りはやってはいけない。
  • 炎天下、水をやってはいけないというが、乾燥がきつすぎるとすぐに枯れてしまう。やばそうなときは水をかけて、日よけに段ボールでもかぶせておいたほうが良い。
  • 芝マットの厚みの違いは気にしなくてよい。気にせずさっさと並べて、あとで目土で高さのレベルを調節すればよい。芝に合わせなくても、芝が合わせてくれる。
  • 広くて単純な地形の場所に張るときは、ロール状の芝を購入したほうが、スクワットしなくていいので絶対に楽。
  • 川砂は目土としては扱いづらい。サラサラな焼砂が良さそう。
  • ひざ痛は死ぬほどきつい。芝張りは素直に業者にやってもらえばよかったかもしれない。

あるあるやね。あるあるオンパレードやね。

地面からはがされて送られてくるTM9の芝マットはとてもデリケートです。乾燥してくると葉っぱが針のように細くなって来ます。

ほっておくと黄色くなって枯れてしまいます。1日も持ちません。まるで新一から切り離されたミギーのように弱々しい存在です。あなたも省管理型の芝TM9を張るときは、途中で枯らさないように大事に扱ってくださいね。