シンボルツリーは何にする?モミジの王様『大盃』で決まり!
「モミジとカエデの違いって知ってる?」
こんにちわRR博士じゃよ。今回は、おうちのシンボルツリーにはモミジなどいかがでしょうというお話じゃよ。
家を新築する際に、ネットなどから情報を集めようと夜な夜なPCやらスマホにかじりついておりますと、よくわからないうちに「シンボルツリー」というものを植えなければならないような雰囲気になりがちです。
あるあるやね。
そんな感じでネットのランキングなんかを参考にしているうちに、落葉樹は掃除めんどくさいし、常緑樹のシマトネリコ、ソヨゴ、オリーブあたりに落ち着いてしまいがちです。
あるあるやね。
そんでもって、「選択肢が多すぎて選ぶのめんどくさい!」、「多くのサイトでランキング1位になっているし、これでいんじゃね?」ってなことでシマトネリコを安易に選んで植えてしまい、想像以上のスピードで生長していき、ひんぱんに剪定しなければならなくなって、「こんなはずではなかった」と後悔しがちです。
あるあるやね。
おそらく多くの場合、シンボルツリーを植えたときのその木への思い入れというのは、植え終わった瞬間から急速にトーンダウンしていき、単なる日常の風景の一部でしかなくなってしまいがちです。
あるあるやね。
この現象は「風景化」などと呼ばれたりして、注意書きの掲示や、深夜のテレビショッピングで欲しくなって買ってはみたものの一度しか使わずに部屋の片隅に置きっぱなしの腹筋トレーニングマシーンなど、日常生活のいたるところで発生しています。
ひとたび「風景化」が起こってしまうと、ふとした瞬間にその存在を再認識するまでかなりの時間を要してしまいがちです。
そしてこの「風景化」は、単調にならないやり方で自分の存在をアピールし続けられるもの以外には、ほとんどの場合、抗うことがとても難しいのです。
あるあるやね。
では、「風景化」しないシンボルツリーとは何でしょう?
それはモミジです。
・・・
クイズ形式で盛り上げて見せ場を作ったと見せかけておいて、とてつもなく普通の答えです。
あるあるやね。
モミジは年に一度、冬を迎える前にほんの短い間ですが葉を赤く色づかせる、ご存じ「紅葉」という強力なイベントを持っています。
これは多くの人というか、誰もが知っていることですね。紅葉の時期になると多くの観光地へ「紅葉狩り」にたくさんの観光客が集まります。
紅葉はとても美しいですよね。でも、モミジの本当に美しい季節って、実は秋ではなくて春なんです。
世界的に有名な植木の町である川口市の安行というところに、「小林モミジ園」という国内でも珍しい、モミジを専門に扱っている植木屋さんがあります。
約3000坪の敷地には様々な種類のモミジがそこらじゅうに植えてあります。
紅葉の頃には、別に買いに来たわけでもない、ただ紅葉を見に来た人たちで賑わうそうです。
シンボルツリーをモミジにしようと、ちょうど紅葉の頃に訪ねました。
その年は暖冬の影響で見事な紅葉は見られず、葉がチリチリに枯れてしまっているものばかりで少々残念だったのですが、のどかな感じのなかで甘酒をごちそうになり、いろいろとモミジについて説明していただきました。
そのときにおっしゃっていたのが、秋の紅葉も美しいけれど、もっと感動するのは春紅葉(春の芽生え)で、ゴールデンウィークの少し手前ぐらいに最も美しくなるのだそうです。
「出猩々」などに代表される芽生えから真っ赤に色づくもの、緑色や黄色に縁だけ赤みがかっているものなど、秋には見られない色彩を放つ色とりどりの新芽がいっせいに膨らみ開いてくる。
秋とはまた違って、厳しい冬を越え、夏に向けて葉を伸ばし、新たに活動を始めていく勢いや生命の息吹なども感じさせてくれる・・・。お話を聞いていて、そんな素敵な光景に一度はお目にかかりたいと思いました。
春の紅葉狩り、あなたもぜひ一度足を運ばれてはいかがでしょうか。
そんなこと言いながら自分はまだ行けてないんですけどね。
あるあるやね。
この話を先に聞いてしまったら、またいろいろとどれにしようか悩んでしまったと思いますが、その時点で春紅葉なんて知らないし、秋に一番美しく真っ赤に色づく種類がいいとお伝えしたところ、モミジの王様と呼ばれる「大盃」という種類を勧めていただき、それに決めました。
この「大盃」の特徴は紅葉の時期になると最初は茶色っぽい色に変色し、やがて茶色味が抜けて、明るい朱色に変わっていきます。
地植えしてあるものを掘り起こし、根巻きしてもらいます。
このとき教えていただいたのが、植木を選ぶとき、根鉢が大きいものはあまり良くないということ。
根があまり張ってないものは、詰め物をして根鉢を大きくし、根がたくさんあるように偽装しているものが多いそうです。
「ぱっと見にだまされてはいけない。」
あるあるやね。入れたり盛ったりかぶったりと、よのなかは偽装で満ち溢れているね。後で知ってがっかりしないためにも、真実を見きめる目を養いたいね。
さっそく持ち帰ったモミジを庭に植え付けます。植付けの適期は葉が全て落ちた頃です。
翌年の春、無事に新芽がいっせいに膨らんで勢いよく伸びてきました。
伸びてきた新芽はピンク色がかった黄緑色で、遠目に見ると花が咲いているようにも見えて、とても美しいです。
完全に新芽が開き切ると、葉の赤みは徐々に抜けていき、完全な緑色になります。この色の変化も面白いです。
梅雨も終わりにさしかかり、本格的な夏を迎えようという頃、葉がチリチリに縮れ始め、やがてぽろぽろと落ちていきます。
根が完全に張り切っておらず、水の吸い上げが追いつかなかったようです。
全ての葉が落ちてしまったわけではなかったので、紅葉は見られたといえば見られたんですが、スカスカでチリチリのやつも残っている感じで、とても残念な感じでした。
そして2年目の今年、去年よりも枝も伸びてパワーアップした新芽の展開、完全に根付き、夏になってもまったく落ちない葉。台風の風を受けても平気でした。
夏も終わり、今年はまともな紅葉が見られるとウキウキしていた10月下旬、前触れも無く現れたのは台風21号「LAN」でした。
どうやら日本直撃で上陸コースを進む様子の台風「LAN」。気象情報では史上最強レベルだと何度も注意を喚起していました。
強めの台風が来るたびに「今世紀最大」、「史上最強」とアナウンスされるものだから、「あー、またか」といった感じです。
あるあるやね。「オオカミ少年効果」やね。
ところがどっこい、この台風「LAN」、風、雨ともにそこそこで、久しぶりに「強かった」と感じさせる台風でした。
でも、そんな暴風雨にもモミジは平気な様子でした。
台風が過ぎて2日目でしょうか。日常の風景になんとなく違和感を感じつつ、ふとモミジに目を向けると、すべての葉がチリチリに縮れていました。
驚いて、そういえばと周りを見渡してみると、多くの木々の葉が茶色くなっていて、いっせいに枯れてしまったかのようでした。
塩害です。台風が海の水をまき上げてうちのモミジにぶっかけたのです。
しばらくすると、すっかり葉がなくなってしまい、まるで冬を迎えたかのようです。
秋モミジの代表、あまたあるモミジの中で王様と称される「大盃」の紅葉。
もうすぐ見られるとワクワクしていた日々。2年も待ったんだよ・・・。
心にぽっかり穴が開いてしまったかのようです。
「大盃ロス」です。
あるあるやね。期待の地平が高かった分、落胆も大きいね。「認知的不協和」だね。解消するには「あのブドウは酸っぱい」と思い込むしかないね。
来年は3度目の秋を迎えるわけですが、まったく期待してません。
どーせ村の変わり者がやってきて葉っぱをすべて食べてしまうんでしょ。
どーせ村の力もちがやってきて力自慢しようと引っこ抜いて行ってしまうんでしょ。
なにあの木、なんか葉っぱが手の形みたいで気持ち悪いんだけど。